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2008年4月20日 (日)

偏向した新人教育(1)

 現場教育において教員というのは極めて重要な要素であることは、もはや言うまでもないことである。とかく人格形成が不完全であり、また自己の社会の大部分が学校と家庭である小、中学生において、その影響は計り知れない。極論すれば、教師の良し悪しが児童生徒の良し悪しを決めるのだ。
 なれば新任教師教育というものは必要不可欠であり、現場教育においてそれは決して誤ることのできない最重要課題となる。とかく新任教師というのは、およそ二十代前半、ようやっと『被教育』から抜け出たばかりの若造である。特に昨今の若造は政治、社会の問題に疎く、慣例を知らず、またその大部分がこれまで教壇に立ったことがないものだから、いざ教鞭を握ってみると、どうすればいいのか分からずにテンパってしまうのである。そんな『白紙』の若造を教育しようというのだから、その労力は並々ならない。およそ考えうる最高の教材を使い、最高の教員を充て、最高の空間で教育を施すことが肝要なのである。
 だから、である。筆者は驚愕した。『在日外国人児童・生徒に関わる指導資料』なる、嘘八百を並べ立てた新人教育用資料を目の当たりにして、愕然としたのである。
 
 『在日外国人児童・生徒に関わる指導資料』、厳密には『在日外国人児童・生徒に関わる指導資料 -主として在日韓国・朝鮮人児童・生徒の指導について-』というこの資料。筆者はこのタイトルを見た時点で既にこの資料の異常性に気付いていた。すなわち、なぜ『在日韓国・朝鮮人』を『主』としたのか、ということである。
 戦前、戦中および大戦直後に日本に移動してきた韓国・朝鮮人の一族で、現在児童・生徒にあたるのは、移動してきた方々を初代と考えておよそ三、四代目である。かく言う筆者も、既に帰化しており、また十年ほども前に中等教育を終了してはいるが、日本移住者の三代目にあたり、韓国・朝鮮とのつながりはほぼゼロと言っていいほどに希薄である。いかに韓国・朝鮮人といえど、生まれ、育ちともに日本であれば、(朝鮮学校へ行くなどの特殊な例を除き)日本で生きるのに不都合などなく、また同じ東北アジア系ののっぺりとした顔であることから、黙っていれば区別が極めて難しい。つまり、賛否両論あるかもしれぬが、黙っていれば『在日児童・生徒』は『日本人』として生きることが可能なのである。私事で恐縮だが、実際筆者も(当時は知らなかったのだが)自らが在日であることを言わず、それゆえいわゆる『差別』というものを受けたことがなかった。結局『児童・生徒』にあって在日韓国・朝鮮人か否かなど、その程度の些細なものなのである。『在日外国人』であっても『在日韓国・朝鮮人』に関していえば、いくらかの手続きの際に気を配り、あとは彼らが『在日韓国・朝鮮人』であることをあまり強調しないようにすれば、教師の児童・生徒に対する仕事としてはおしまいとも言える。
 然るにこの資料では『主』として『在日韓国・朝鮮人』を取り上げるのである。『在日外国人』に関わる指導だ。本来ならば、例えば日本語の拙い、または文化が全く違う西洋、東南アジアやイスラムなどの国々の児童・生徒を取り上げるべきだろう。訛りや肌の色などの差異に対し、児童・生徒は確かに残酷である。それがいじめの原因になることは確かにありうる。だのに資料を確認したところ、そういった『在日外国人』に関する記述はほぼ皆無であり、徹底的に『韓国・朝鮮』が取り上げられているのである。これを異常と言わずして何と言う。
 結局のところこの資料は、先述したとおり嘘八百並べ立てた、在日韓国・朝鮮人ひいては韓国・朝鮮にいつまでも頭を下げ続けなさいと教えるような洗脳教材であった。『在日外国人指導』の名を借りて洗脳教育を行おうというのだから、全くとんでもない話である。
 なお、この編集・発行は『墨田区人権尊重教育推進委員会』であるが、墨田区のウェブサイトで確認してみたところ、この某委員会に関しての詳細はなく、ただ教育委員会事務局指導室の業務概要に『人権尊重教育推進委員会の運営』とあるだけだった。単に筆者の調査力不足かも知れないが、筆者には公に出来ないような『闇』にも感じられる。
 現在墨田区に当該資料の修正および公知、『人権尊重教育推進委員会』なるものの詳細公表を申し入れているが、さて、どうなることだろう。
 
 本稿では本当は当該資料の一ページ目『はじめに』を精査していく予定であった。しかしタイトル一つでここまで指摘するべき点があるのである。一筋縄では行くまい。当該資料は全二十七ページ。このわずか二十七ページが、一体筆者にどれほどの文章量を強要するのか、筆者の心は今、不安と期待と呆れに満ち溢れている。

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