« 相変わらず飛んでます オーマイニュース | トップページ | 毎日新聞卑猥記事 『無かったこと』にする予兆? »

2008年7月20日 (日)

活性水素水……ねぇ

 全くの私事なんですが、昨日母親から『活性水素水ってどう作るのん?』と尋ねられました。
 そも『活性水素』なるものが耳慣れないものでして、『そんなん知らん』と答えたら『役に立たん』と言われました。
 屈辱です。
 
 さて、そんな『活性水素水』なる物質。
 気になりましてググッてみたりしたんですが、どうにもヒドリドラジカル(H・)やヒドリドイオン(H-)が溶け込んだ水、というような話でありまして、かつてのアルカリイオン水と同等の意味合いを持ったような水のようでありました。
 
 なんでも先日に日本医科大の太田らの研究が『Neuropsychopharmacology』に掲載されたとのことで、記事になっていたようであります。
 本文はまだ読んでないんですが、それによればマウスを用いた記憶力低下の実験で、水素水を与えた群は老化などの原因と言われる活性酸素を取り除き、与えない群よりもはるかに記憶力を維持できたというような話らしくて、うちの母親は多分それを見たのではないかと思っております。
 
 ちなみにこの太田教授は過去にこの水素水の話に関して『Nature』(科学系ではものっそい有名な雑誌:新聞に載る場合は大体コレ)に掲載されているようでありまして、それだけの研究はやってらっしゃるようでございます。
 
 ただ、ここでちょいと気になりましたのが、『活性水素水』って本当にあるんかいな、という話でありまして、これすなわちどういった話かと申しますと、先に言いましたヒドリドラジカルやヒドリドイオンは作るのが面倒な上きわめて不安定で、ぶっちゃけ水の中に入れてたら水素とヒドロキシラジカル(HO・)ないし水酸化物イオン(OH-)になっちまうんじゃないかなぁと、そう思ったりするわけでございます。
 
 そもそも前述の太田らの報告も、タイトルを見る限り『molecular hydrogen』、つまり『水素分子』について検討されているようでありまして、いわゆる『活性水素』というものでは無さそうな按配でございます。
 
 ちなみに、単に水素が多く溶存する『水素水』は普通にあると思いますし、そもそもアクティブな活性酸素は水素と容易に反応して水を生成しますので、検証結果も(基本、研究は要追試ではありますが)まぁ間違いないんじゃないかとは思っておりますが、ともかく『活性水素水』なるものについてはどうにも怪しい感じであります。
 
 ただ正直に申しますと『活性水素水』やら『水素水』やらといったものを購入してまで引用する意味があるのかなぁなんて東雲は思うのです。
 まぁ『水素水』に関しては別に太田博士を疑っているわけではないんですが(『活性水素水』は別)。
 そもそもの話として、気体が水に溶けているとなりますと、加熱して使用するなどということができません。
 固体と違って気体は水の温度が高くなるほど溶解性が低下しまして、空気中に飛んでいってしまいます。
 嘘だと思うなら炭酸飲料を温めてみてください。
 炭酸(二酸化炭素)が抜けて不味くなること請け合いです。
 ともわれそういったわけでして、少なくとも『水素水』を加熱すればただの水になってしまい、つまり使用法が『そのまま飲む』くらいであると、そういったわけでございます。
 わざわざ高い金出してそんなん買うよりは、もっと手ごろで扱いやすいものを使った方がいいんじゃないかと、東雲なんかは思うわけです。
 
 『じゃあその手ごろなものってなんなのさ!』という声があるかもしれませんが、この『水素水』、原理的には活性酸素を除去する抗酸化剤として扱われているようですが、それならばビタミンCやポリフェノールでありますビタミンE、カテキンなどの摂取で十分であります。
 
 ぶっちゃけ緑茶が素晴らしい。
 緑茶にはビタミンCやカテキンなどが豊富に含まれておりまして、特保として売られている緑茶も有名かと思います。
 (ただしビタミンCは光、熱に弱く、光が当たる場所に長時間晒されているペットボトル飲料にどれほどビタミンCが含まれているかは謎。ウーロン茶や紅茶は発酵時に参加してしまい、ビタミンC量は少ない)
 
 また煎茶の茶葉にはビタミンEも豊富に含まれておりまして、こちらはビタミンCやカテキンと異なり脂溶性でありますため緑茶には溶けておりませんが、茶葉を使って料理などすればこちらも豊富に摂取できます。
 (ちなみに東雲、昔は脂溶性カテキンなど水溶性ポリフェノールを脂溶性にする研究をしてたりしました。脂溶性だと水溶性のものより細胞に取り込みやすいんです)
 
 もっとも緑茶を一杯飲んだからいいというものではなく(お茶一杯で取り込めるカテキン量は数ミリグラム)、常飲するのが好ましいんですが、それ言ったらこの『水素水』とやらも同じ。
 メーカーウェブサイト(先述の太田教授が顧問)にも『一日二本(1リットルほど)常飲よろしゅう』書いてますしね。
 
 ちなみに断っておきますが、別に東雲、静岡県の回し者とかそういうのではありません。
 ただ純粋に『緑茶って素晴らしい』と声高らかに吼えたいだけなのであります。
 他意なんてございません。
 だから静岡から賄賂なんて貰ってませんってば!
 
 ……これだけ緑茶宣伝したんだから、賄賂と言わずいくらか報酬くれないかな、静岡県。

|

« 相変わらず飛んでます オーマイニュース | トップページ | 毎日新聞卑猥記事 『無かったこと』にする予兆? »

コメント

あらぁ… 送って差し上げたい。(笑)
静岡県の緑茶。
冷蔵庫にも緑茶葉だらけです。
(野菜室まで緑茶葉に占拠されてます)
煎茶です。やぶきた茶といいます。
綺麗な緑色が出ます。水出し緑茶も美味しいです。

私は、磁化杯を使って、イオン水を作ってます。
でもって、木魚石を入れてミネラル水も作ってます。
それを使い、1リットルの水出し用の専用ポットで水出しのお茶を作ってます。
烏龍茶、緑茶、紅茶… 気分次第です。

熱いお茶は、年中入れて飲んでます。
でも、消化が追いつかないのは、別のモノも飲んでいるからですね。
夏は、特にビールが美味しいです。

投稿: 元気 | 2008年7月26日 (土) 00時24分

元気様、コメントありがとうございます。

しかし……冷蔵庫いっぱいの緑茶葉ですか。
何故そんなことに……?(笑)

やぶきた茶というのはちょっと存じませんが、
ググッてみたところ手摘み100g1500円、機械刈りで1000円だそうで……お、恐ろしい。
私はせいぜい100g500円までの安茶を愛飲です。
水出しはこの時期良さそうですね。

磁化杯というのは初耳なのですが、例えばアルカリイオン水でお茶を入れるとどうなるんでしょうね。
確かにポリフェノールは弱酸ですから、塩基作用させればイオン化して水に溶けやすくなるとは思いますが。
一方で塩基条件下ではポリフェノールの抗酸化活性が低くなるという報告もありますし。
それに参加されやすくなってますから、色も変わりやすくなるでしょうしね。
もしかしたら普通の水で入れるのが一番無難なのかもしれません。

茶葉の消化については、料理などに応用してみたらいかがでしょうか。
記事にも書きましたが、緑茶ではビタミンEがほとんど摂取できませんから。
折角、茶葉にはビタミンEが豊富に入っているのに、ちょっともったいない感じです。
出がらしをふりかけにする、なんていうのもあるようですよ。

投稿: 東雲一葉 | 2008年7月26日 (土) 08時42分

>冷蔵庫いっぱいの緑茶葉ですか。
何故そんなことに……?(笑)

毎年、親戚が送って下さるのです。(作ってます)
(ありがたいことです)
新茶とともに、古茶も、古古茶も、古古古…茶も。(笑)

冷蔵庫や色々なトコロ(靴の中とかまで)の脱臭剤としても使ってます。
ですが、毎年送られてくる量がハンパでない。
ミカン箱です。(嬉しい悲鳴)
ご近所に配るにも新茶自体は少ない(1年分)ので、
だからといって、古いお茶をご近所に配ることも出来ないし…
で、とにかく、頑張って(?)使ってます。

磁化杯は、水道の水をイオン水にするだけです。
冷蔵庫に入れて飲めば冷えているので便利です。
熱いお茶は、電気ポット(フツウの水)です。(笑)


投稿: 元気 | 2008年7月27日 (日) 12時47分

元気様、コメントありがとうございます。

>毎年、親戚が送って下さるのです。(作ってます)

羨ましいですねぇ。しかもミカン箱(笑)
うちの親戚筋はトヨタの子会社とかですから……。
さすがに車のシステムとか送ってこられてもどうしようもないですね。
(いやもちろんそんなもん送ってなんかきませんが)

しかし、確かにミカン箱いっぱいのお茶を消費するのって大変ですね。
あまり飲みすぎるとカフェイン中毒になりますし。
……もっとも中毒死する前に溺死しそうですけど。
(カフェインで中毒死するには煎茶を50~60L飲む必要があります)


しかし……イオン水、ですか。
私はイオン水なるものの定義を知らないので詳細に話すことはできないのですが、正直に申し上げれば、ちょっとばかり胡散臭い感じですね。
ここでこういう話をするのもどうかな、とは思ったんですが、そのあたりはやっぱり化学屋として違和感が。

そも『イオン』と申しますのは、プラスないしマイナスの電荷をもつ粒子でありまして、単に純水と考えればこれはそれぞれ水素イオン(H+)と水酸化物イオン(OH-)になります。
が、これらは同時に存在すると速やかに中和して水分子となりますため、仮に一時的に分離したとしてもこれが持続的に存在するとは思えません。
(これらはごく微量水中に存在しますが、水1Lに対して1.8μg程度です)

といいますか、そもそも『くっついたスプーンを離せる程度の磁力』で水をイオン化させるのはまずムリです。
そんなことできたら『磁石を手に持っただけで手の水分がイオン化→同時に中和して熱発生→これが何サイクルかで中和熱によって火傷』なんてことも起こりえますが、ありえません。

元気様のブログを拝見したところ、『中に入れた水の粒子を磁石の働きで細かく(イオン化)する』のだそうですが、これを仮にイオンでなく水クラスターだとしても、どうかなぁ、と。
そもそも水クラスターは1ピコ秒(1秒の一兆分の一)で出来たり消えたりしますから、仮に磁化杯で小さいクラスターが出来たとしてもすぐに崩壊してしまいます。

またこのクラスターも、現在のところきちんと調べられる手法が無く、味や健康に関する論文も出ているには出ているのですが、測定の誤りなど、数々の怪しい点が指摘されています。
先にも言いましたとおり、クラスターは1ピコ秒で崩壊しますので、口に入れた時点で元の水になってますしね。

加えて書いちまいますと、イオンであれ小クラスターであれ、ものの状態を変えるにはエネルギーが必要となります。
しかし位置のポテンシャルであろうと磁場のポテンシャルであろうと、移動しなければエネルギーは発生しません。
流水ならどうか知りませんが、少なくとも溜めおいた水ではそういったことは起こらないんじゃないかと思います。
(あるとすれば光か熱エネルギーですが、それならばわざわざ磁化杯を使う必要がありません)


ちなみに木魚石については嘘かどうかは分かりませんが、もし本当だとして、ならば石が水に溶け出すわけで、半永久的に使えるってことはありえません。
もともと存在しない原子ないしイオンが急に発生するってことはありえませんから。
形が変わるってことはないと思いますが、溶出できる分を溶出しきれば、あとはただの石じゃないでしょうか。
それよりは栄養価の高い食料を摂ることが重要かと思います。


もっとも、『じゃあまったく効かないのか』と言われるとなんとも言えませんが。
もちろん化学的見地から考えればまず効果は無いと思いますが、しかし精神学的にはプラシーボ効果が効くんじゃないかと思います。
とどのつまり思い込みな訳ですが、これが結構バカに出来ないものでして、実際に(客観的データ採取の可能な)影響を及ぼすこともままあります。
もちろんこれも賛否があるわけですが、例えば『身体が重い』『疲れやすい』といったような症状には効果的なようです。

もっともこれは『信じるものは救われる』的発想でありまして、端から疑ってかかる私のような人間には効きが薄いものですし、また専門用語を並べられると解かれてしまう(または信じ込む)ものでもあるのですが。
(だからこそ、ここでこういう話をするのかなぁ、と思ったわけですが、ちょっと耐えられませんでした。すいません)

投稿: 東雲一葉 | 2008年7月28日 (月) 22時40分

なあるほど、納得。
私も、(うすうす?)変だなぁとは思っていたのですが… (恥)
コロっと信じてしまう方でして… (笑)
やはり、そうでしたか。納得。

本日、日経新聞で、活性水素水の宣伝広告が出ていたようです。
日田天領水という水の宣伝広告なのですが…
本日、奇しくも、広告が職場で話題になってました。
? という感じでなのですが。(笑)
「活性水素水?」 それって、東雲さんの話題にドンピシャじゃないかと…
で、さらに、帰宅してから、真剣に調べて、調べれば調べるほど、?の数が増えていきまして…
先の私の水も怪しげなのだと… 恥ずかしくなりました。
さらには、東雲さんも丁寧にコメントをして下さっていて… やはりなぁと、思った次第です。

東雲さんのお母様の質問を機に勉強させていただきました。
(東雲さんのような賢い息子が一人欲しいものです)

思い込みで… 怪しげなものが一人歩きするような…
まるで、枯れ柳が幽霊に見えるに似ているような… 
素人は、まことしやかに説かれると弱いですね。(笑)

こうやって、ブログで書くことで以外なところで情報が拾えること、感謝です。
ありがとうございました。

流される情報(報道)、マスコミも疑ってかからないと駄目だですね。
商売、商法、扇動されて、まんまと乗せられてしまいますもの。
自分で、色々と調べていくほどに、信憑性は明らかになります。

政治や社会についても。
キチンと調べて、? と思ったことは裏を取って、信じたい方向に信じるのでなく、事実を直視する目を養わねばなりませんね。(反省)


投稿: 元気 | 2008年7月28日 (月) 23時53分

元気様、コメントありがとうございます。

こういったものの正誤というのは、専門以外だとなかなか分かりづらいものですからね。
もっともらしい話をされると、『そういうものなのかなぁ』と思ってしまいがちです。

また広告などは学術論文の都合のいいところだけ抜粋、ないし曲解してくることもありますから、本質が分かりにくくなるなんてこともあります。

まぁこういったことは広告だけではありませんが、ね。
『憲法9条を守れ!』だの『内心の自由を!』だの叫ぶ連中が、同じ日本国憲法である第一条や第十二条を無視したりとか。
朝日なんかは政治家発言の一部を抜粋してネガティブキャンペーン張ることもありますしね。

まさにあらゆることに対して『キチンと調べて、? と思ったことは裏を取って、信じたい方向に信じるのでなく、事実を直視する目を養わねばなりません』というお言葉どおりでありまして、疑わしいことはしらみつぶしに調べる、またそういった目と気持ちを育むというのがまた重要なことだと思います。

投稿: 東雲一葉 | 2008年7月29日 (火) 10時16分

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 活性水素水……ねぇ:

« 相変わらず飛んでます オーマイニュース | トップページ | 毎日新聞卑猥記事 『無かったこと』にする予兆? »