党首討論 麻生 vs. 鳩山(1)
とゆーわけで、もう諸所にて取り上げられておりますが、東雲もこれに便乗、先日行われました党首討論について取り上げたいと思います。
ただ、党首討論の形式上の問題かもしれませんが、論点が絞られず、議論が深いところまで行かなかった、というのが東雲の感ずるところでございまして、これを元に『こうなったからこうだ!』と結論付けるのはいささか困難。
そんなわけでして、本稿(というか党首討論シリーズ)に関しましては、内容ごとにそれぞれ党首の発言をつまみ食い的にピックアップし、東雲が突っ込み等入れていくというダラダラ形式を採用したいと思います。
そのため、実際の党首討論の流れと異なる場合がございますが、ご了承くださいますようよろしくお願い申し上げます。
なおそれぞれ党首の発言をカッコつき太字、東雲のツッコミを細字で表記しますのであしからず。
<2009年05月27日 党首討論 麻生 vs. 鳩山>
● イントロダクションおよび北朝鮮核実験について
まず本編に入る前に、大石国家基本政策委員会合同審査会会長(以下、大石)のこの発言を取り上げておきましょう。
大石『党首討論は内閣総理大臣と野党党首との討議を通じ国家の基本政策を国民の皆様に直接伝えるとともに、政治の関心を高める有意義な機会である』
まさにその通りなわけありますが、さて、今回の党首討論で、どのあたりまで『国家の基本政策』が論じられたのか、それを念頭に置きつつご覧ください。
鳩山民主党代表(以下、鳩山)『私にとっては4人目の総理大臣である』
まずは軽いジャブのつもりでしょうか。
いわゆる『投げ出し』に対する皮肉のようですが、別に麻生首相が『投げ出し』たわけではなく、むしろ『投げ出し』は説明責任も果たさず逃げたオザーだろと思わずにいられません。
この発言に対し、麻生首相、
麻生総理大臣(以下、麻生)『まず、新しく代表に、というか、再び代表に就任されたことにお祝いを申し上げたい』『党首討論は、私どもの方からも、民主党に何度も開催を申し入れてきたところであり、今回それがようやく実現し、我々も喜んでいる』
と、きっちり皮肉で返しますw
しかも党首討論逃げまくってたことに対する皮肉も織り込み済みw
なお、本討論の議題に対しては、ラブぽっぽ、
鳩山『基本的には内政問題を中心にお尋ねをしたい』
と、安全保障スルーの方向でしたが、まぁ、黒雲母的一枚岩の民主党で安全保障なんか議題にした日にゃ、目も当てられないことになるのは必然ですから、仕方ないのかもしれませんw
しかしこれに対して麻生首相、
麻生『国民に対する生活保障と、国家の安全保障、二つの保障が大きな意義を持っている』
とバッサリ。
まぁ、普通は安全保障が出来て当然なわけですからね、政権与党ってぇ奴は。
ちなみに、
麻生『討論であるので予算委員会等の質問に答えるだけではない』『私どもの質問、意見にも、鳩山党首・民主党の意見を聞かせていただく、それで初めて『討論』である』
と、この発言。
閣下!
その発言は『反対のための反対』を党是としております民主党には少々酷かと思われます!w
● 北朝鮮問題
さて、安全保障にスルーを決め込んだ鳩山民主党。
しかしさすがに直近のこれについて触れないわけにはいかないのか、いきなり持ち出してまいりました。
鳩山『北朝鮮の核実験に関しては野党も与党も無い。断固、抗議しなければならない』
まぁ、当然のお話でありまして、わざわざ語気を強めることもございません。
しかしながら、じゃあ具体的にこうしよう、という話はせず、何故かこんな話になりました。
鳩山『(北朝鮮の核実験に関して)アメリカから日本に対して、すぐに通告があったのかどうかという情報が錯綜している』『情報の入手およびコントロールは国家の基幹であり、重要なことである。国民に事実をお伝え願いたい』
情報の入手およびコントロールが国家の基幹であるのは確かですが、だからといって日本とアメリカの国防機密を漏らせというんでしょうか。そんなん公言したら、以降、アメリカから情報が入ってこなくなることは自明なんですが、それすら考えが及ばないんでしょうかね、この『次期首相候補』は。
つか、対外情報機関設立やスパイ防止法成立を邪魔してたのは何処のどいつですか?
さて、そんなラブぽっぽに対して麻生首相は、
麻生『情報はかなり早めに伝わっていたが、いつの時点でどうあったかということは双方言わない約束である』
と当然の答え。
ま、当たり前ですな。
繰り返しますが、むしろそんなことすら分からない『次期首相候補』にビックリです。
さらに麻生首相は、
麻生『一番の問題はこの種の問題が起きた後、国際社会とどのような対応をするか、である』『私は既に各国首脳と話をし、国連安保理の決議を速やかにすべく動いている』
と現状を説明。
民主がまごまごしながら『6者協議が機能していない。完全に麻生外交は破綻している』なんて見当違いのことをほざいている間に、麻生首相はきちんとやることやってるんですね。
マスゴミは報じませんが。
なんというか、役者がまるきり違います。
だってこの発言に対してラブぽっぽ、
鳩山『質問にお答えいただけないのは大変残念』
とかほざくんですもん。
大変残念なのはあなたのNOみそです、と、思わず突っ込みたくなりますわ。
ちなみに、
鳩山『麻生総理が言うように『言わないことになっている』というのなら、官僚などが言っているのはおかしい』
なんて発言もしておりますが、もう一度首相発言をまとめますと、
・早い段階で伝わっていた
・いつの時点でどうあったかということは双方言わない約束である
・政府として発言したことは無い
ってな話でありまして、そもそも一官僚の言葉を鵜呑みにせず、政府としての公式コメントを求めろっつー話でございます。
特に『重大な問題』と言ってるわけですから、何ゆえそれをしないのか、東雲、不思議でなりません。
● 国家ビジョン
あ…ありのまま今起こったことを話すぜ!
『おれは北朝鮮の問題について聞いていたと思ったら
いつの間にか国家ビジョンに関する話を聞いていた』
な…何を言ってるのかわからねーと思うが
おれも何をされたのか分からなかった
頭がどうにかなりそうだった…
誤魔化しだとか論点すり替えだとか
そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…
とゆーわけで北朝鮮云々、安全保障云々言ってましたラブぽっぽ、いきなり国家ビジョン云々に舵を切りました。
結論とか何とか、そんなん関係ありません。
ホントに最初、何言ってるのか分かりませんでしたよ。
で、ラブぽっぽ、
鳩山『時の総理が、この国をどのようにしたいか、ビジョン、理念というものが極めて大事であるのに、今までの自民党総裁、総理は総理になることが目的であって、なって何をやるかが決まっていなかった』
とか言い出す始末。
ちょw お前が言うなw
いやはや呆れるばかりですが、ラブぽっぽは、件の『四人の首相』の主義主張を聞いていなかったんでしょうかね?
小泉元首相は『官から民へ』を指向し、一部批判はある(東雲も一部分には否定的)ものの、それを実行していきました。
安倍元首相は『美しい国』『戦後レジームからの脱却』を指向し、教育基本法の改正、防衛庁の省昇格、国民投票法の成立などを矢継ぎ早に行っていきました。
福田前首相は……まぁあの人は周りに担ぎ上げられただけですから何とも言えませんが……。
麻生首相は、現在はまだ、アメリカに端を発した経済危機に追われておりますが、しかし『自由と繁栄の弧』を指向、模索しております。
歴代首相はきっちり『ビジョン、理念』を提示しているわけですが、ラブぽっぽはそんなんスルー。
なお、この後ぽっぽは自らの『友愛』について演説(東雲には抽象論過ぎて意味不明)をぶっちゃけてましたが、麻生首相に、
麻生『友愛に関して異論は無いが、問題は抽象論ではなくて現実論にどのように対処するかが政権にとっては重要である』
と一蹴されておりました。
大体、
鳩山『社会における絆がずたずたに切れている』『一人ひとりに居場所が無い』
ってなことをのたまっておりますが、一体どこの話なのか?
抽象論を元に抽象論を組み立てるから、わけが分からなくなってくる。
鳩山『みんなが幸せを感じられる社会を作りたい』
なんてこともほざいておりますが、そりゃ単なる理想であってビジョンではない。
大辞泉によればビジョンとは『将来の構想、展望』でありますが、構想なんてのは具体的に何をするかがあって、初めて『構想』たりうるわけであります。
だからこそ、そのために何をするのかっつー話になるわけでございますが、まさか『修行するぞ修行するぞ修行するぞ……』とかおっぱじめないでしょうね?w
で、この発言。
鳩山『人の幸せを自分の幸せと思えるような世の中にしたい』
在日の幸せを自分の幸せと思える世の中にしたいんですね、わかりません。
そんなラブぽっぽ、わけの分からん抽象論を振りかざし、しかし今の社会はそうなっていない、何故なのかという問いを麻生首相にぶつけておりました。
答えようの無い被害(加害?)妄想に回答しなければならない首相に、東雲、思わず同情。
しかしさすがは麻生首相といいますか、上述のように『具体的には何するの?』とバッサリ。
麻生『政権交代は手段であって目的ではない』
と正論で切り替えします。
どこぞの幹事長が『次期衆院選は政権交代自体が争点だ』なんてアフォ抜かしてましたけど、このLV差はなんなのさと、いやはや東雲びっくりです。
さて、痛いところを突かれてラブぽっぽ、
鳩山『政権交代は目的でなくスタートラインである』
と、断言。
鳩山『そこから何をやるかという具体的なことを申し上げる』
と、自信満々に語りました。
ぶっちゃけますと、これに関しちゃ東雲、『ををっ! ついに民主が政策について論じるのか!』と、ちょっとばかり期待したんですが……。
あ…ありのまま今起こったことを話すぜ!
『おれは民主の具体的な政策について聞いていたと思ったら
いつの間にか三鷹第四小のボランティアに関する話を聞いていた』
な…何を言ってるのかわからねーと思うが
おれも何をされたのか分からなかった
頭がどうにかなりそうだった…
脱線だとか論点誤認だとか
そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…
(ポルナレフ2回目)
というわけでラブぽっぽ、具体的政策は一片も語らず、何故か三鷹第四小のボランティア話を始めました。
つかさ、個人的なことで悪いけど、理解が遅れてる児童生徒への補習なんてぇものは、そこそこ以上の塾や家庭教師だったらフツーにやっておりますが。
そんなもん持ち出して『友愛』だの『こういう社会が素晴らしい』だの言われても困ります。
ぶっちゃければ、教師には『児童生徒に学習内容を理解させる』義務がございまして、また各生徒の理解に差があると授業がやりにくいのも事実であります。
おそらくそういったことをやるほとんどの教師ないし講師は、『友愛』だの何だのではなく、仕事上、あるいは効率上やってるってぇところじゃないでしょうか。
せいぜいが己の教育者としてのプライドに賭けて、ってところですかね。
実際、東雲なんぞも十年ほど塾講師やってましたが、生徒が内容を理解できないってのは悔しいですよ。
少なくとも勉強に関しちゃ、教える側の責任がほぼ100%なんですから。
だからこそ、どうすれば理解できるかを模索し、教材開発を重ね、必要があれば一時間でも二時間でも補習をします。
しかしそこに『友愛』なんて感情はございません。
あるのは『義務感』と『プライド』だけです。
そのために、正規授業時間二時間に対し、補習時間(基本無給:後に塾長がわざわざ残業代付けてくれましたが)二時間ですよ。
そんな経験をしておりましたから、ラブぽっぽ発言はホント噴飯ものでしたね。
なお、ラブぽっぽはこの話について、
鳩山『取るに足らないつまらない話と冷笑している』
なんて非難しておりましたが、そりゃ話に冷笑してるんじゃなくてアンタに失笑してるんだよと、思わずディスプレイに突っ込んじまいました。
さて、そんなラブぽっぽに対する麻生首相の反応。
麻生『今、三鷹小学校という一例を引かれたが、全体像、具体像が見えてこない』『学者や評論家しているわけでなく、政治家してるんだから現実問題をやらなければならない』
やっべぇ、いちいち正論過ぎるw
もうね、役者の違いというかね、そもそもラブぽっぽと党首討論させること自体、首相に失礼なんじゃないかとすら思えてきましたよ。
(続く)
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コメント
こんにちは。お疲れ様です。
ところで、鳩山党首は、党首討論で、「この国」 って言うんですよ。
「日本」 という発言と同数の6個です。
日本には事前の通告…
日本に対してすぐに通告…
新しい日本が生まれる…
日本を築き上げていく原動力
日本の政治も政治家も…
この国の危機管理
この国、もたない…
この国をどのようにしたいか
この国に欠けているのは、
この国の仕組みは…
この国は。まさに官僚の利権…
私は、とっても違和感を持ちました。
日本(この国)は、日本人だけのものではない。
それが根底にあるのではと…
私の違和感、分かりますか?
やっぱり、脳内、乗っ取られていると思ったしだい。
投稿: 元気 | 2009年5月29日 (金) 18時05分
元気様、コメントありがとうございます。
レス遅れて申し訳ありません。
>ところで、鳩山党首は、党首討論で、「この国」 って言うんですよ
普通は『我が国』ですよねぇ。
まぁ、あの党首討論(無論ノーカット)を見る限り、脳内乗っ取られているというか、そもそも脳内が存在するのか疑問ではありますけどね。
投稿: 東雲一葉 | 2009年7月 5日 (日) 18時18分